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1,1,2-トリクロロエタン(第一種特定有害物質)について
特定有害物質のうち、第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)の1,1,2-トリクロロエタンを取り上げます。
別名
β-トリクロロエタン、1,1,2-TCE、ビニルトリクロリド
特徴
常温では無色透明の液体で、揮発性物質です。
用途
主に、フィルムやコーティング剤の原料である1,1-ジクロロエチレン(塩化ビニリデン)の原料として使われています。この他、塩素化ゴムの溶剤、油脂・ワックス・天然樹脂等の溶剤、アルカロイドの抽出液として使われています。
環境中での動き
大気中へ排出された1,1,2-トリクロロエタンは、主に化学反応によって分解されますが、半分の濃度になるのに2~3ヵ月かかると計算されています。加水分解の速度は遅く、化審法の分解度試験では微生物分解はされにくいとされ、水中に入った場合は、主に大気中へ揮発することによって消失すると考えられます。地下水中に入ると揮発されにくく、酸素の少ない状態では、微生物分解や化学反応によって、ジクロロエチレンやジクロロエタンを生成することが予想されます。
環境基準
土壌環境基準 | 0.006mg/L以下 |
地下水環境基準 | 0.006mg/L以下 |
水質環境基準(健康項目) | 0.006mg/L以下 |
土壌汚染対策法の基準(第一種特定有害物質)
土壌溶出量基準 | 0.006mg/L以下 |
土壌含有量基準 | - |
地下水基準 | 0.006mg/L以下 |
第二溶出量基準 | 0.06mg/L以下 |
引用・参考文献
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」(公益財団法人 日本環境協会 平成27年6月発行)
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」(公益財団法人 日本環境協会 平成27年6月発行)