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四塩化炭素(第一種特定有害物質)について
特定有害物質のうち、第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)の四塩化炭素を取り上げます。
別名
テトラクロロメタン、パークロロメタン、カーボンテトラクロライド
特徴
常温では無色透明の液体
用途
消火効果が高い薬剤として古くから知られ、20世紀後半からは、主にフロン類の製造原料として使用された他、溶剤、機械洗浄剤、殺虫剤の原料などとして使用されてきた。
現在は、他のクロロカーボンの原料、農薬の原料、ふっ素系ガスの原料として使われている。また、試薬としても使用等されています。
環境中での動き
大気中へ排出された四塩化炭素は、対流圏(地上から高度およそ10数kmくらいまでの範囲)の大気中ではなかなか分解されず、化学反応によって半分の濃度になるには330年以上かかると計算されています。ただし、海洋への溶解などを考慮した結果、大気中寿命は約26年と計算されています。
成層圏にはオゾンが多く存在しており、このオゾンの多い層をオゾン層といいます。四塩化炭素がオゾン層に進入すると、強い紫外線により分解され、生成した塩素原子がオゾンと反応することによって、オゾン層が破壊されます。オゾン層を破壊する力はCFC-11(フロン類の一種)とほぼ同じです。環境省では1990年度から北海道などにおいて四塩化炭素の大気中濃度を調査していますが、これによると平均濃度は横ばい傾向にあります。
また、水中に入った場合は、大気中へ揮発することによって失われると考えられます。土壌や地下水中に入った場合は、揮発によって失われないため、長い間、残留する可能性があります。
環境基準
土壌環境基準 | 0.002mg/L以下 |
地下水環境基準 | 0.002mg/L以下 |
水質環境基準(健康項目) | 0.002mg/L以下 |
土壌汚染対策法の基準(第一種特定有害物質)
土壌溶出量基準 | 0.002mg/L以下 |
土壌含有量基準 | - |
地下水基準 | 0.002mg/L以下 |
第二溶出量基準 | 0.02mg/L以下 |
引用・参考文献
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」(公益財団法人 日本環境協会 平成27年6月発行)
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」(公益財団法人 日本環境協会 平成27年6月発行)