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1,3-ジクロロプロペン(第一種特定有害物質)について
特定有害物質のうち、第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)の1,3-ジクロロプロペンを取り上げます。
別名
D-D
特徴
常温で淡黄色の液体。シス体とトランス体の異性体があります。
用途
農薬の有効成分(原体)で、土壌中の線虫や害虫を防除するくん蒸剤として使われています。 ジャガイモやサツマイモ、ニンジン、ゴボウ、スギ、ヒノキなどに被害を与えるネグサレセンチュウ、イシュクセンチュウやコガネムシなどに対して殺虫効果があり、種まきや植付けの10~15日前に用いられます。
使用方法は、畑地に約30cm間隔で深さ15~20cmの穴をあけ、1穴当たり2~3mlを注入後、すぐに土をかぶせ、塩化ビニル樹脂製やポリエチレン製のシートなどで覆います。土壌中で1,3-ジクロロプロペンはガスになって広がります。殺虫効果はこの蒸気によるものです。園芸用には用いられていません。
環境中での動き
土壌に散布された1,3-ジクロロプロペンは、加水分解によって分解され、土壌中では3~65日以上で半分の濃度になったと報告されています。水中では微生物や加水分解によって分解されます。加水分解によって、15℃の水中では約2週間で、29℃の水中では2日で半分の濃度になったと報告されています。また、一部は大気中に放散されますが、大気中では化学反応によって分解され、2日程度で半分の濃度になると計算されています。なお、空中散布は行われていません。
環境基準
土壌環境基準 | 0.002mg/L以下 |
地下水環境基準 | 0.002mg/L以下 |
水質環境基準(健康項目) | 0.002mg/L以下 |
土壌汚染対策法の基準(第一種特定有害物質)
土壌溶出量基準 | 0.002mg/L以下 |
土壌含有量基準 | - |
地下水基準 | 0.002mg/L以下 |
第二溶出量基準 | 0.02mg/L以下 |
引用・参考文献
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」(公益財団法人 日本環境協会 平成27年6月発行)
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」(公益財団法人 日本環境協会 平成27年6月発行)