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有機りん化合物(第三種特定有害物質)について
特定有害物質のうち、第三種特定有害物質(農薬等)の有機りん化合物を取り上げます。
別名
EPN: o-エチル=o-4-ニトロフェニル=フェニルホスホノチオアート
特徴と用途
O-エチル=O-4-ニトロフェニル=フェニルホスホノチオアート(以下「EPN」)は、水には溶けにくい淡褐色の液体で、常温では一部結晶化します。有機りん系殺虫剤の有効成分(原体)で、通常、乳剤、粉剤の剤形に製剤化されています。
EPNは、1950年代の初期から、イネのウンカ類、ニカメイチュウ、野菜のアブラムシ類、アザミウマ類、ハダニ類などに対して使われています。
環境中での動き
土壌へ排出されたEPNは土壌粒子に速やかに吸着されます。土壌中では、加水分解と酸化によって分解されます。土壌の成分の違いなどによって速度が異なりますが、実際の農地を使った実験では2週間あるいは1ヵ月で半分の濃度になったと報告されています。水中では微生物分解は受けにくいとされ、粒子などや水底の泥に吸着されると考えられています。大気中では化学反応によって分解され、5時間で半分の濃度になると計算されています。
環境基準
土壌環境基準 | 検出されないこと |
地下水環境基準 | - |
水質環境基準(健康項目) | - |
土壌汚染対策法の基準(第三種特定有害物質)
土壌溶出量基準 | 検出されないこと |
土壌含有量基準 | - |
地下水基準 | 検出されないこと |
第二溶出量基準 | 1mg/L以下 |
引用・参考文献
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」(公益財団法人 日本環境協会 平成27年6月発行)
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」(公益財団法人 日本環境協会 平成27年6月発行)