【環境省 指定調査機関】地歴調査・土壌調査・不動産評価・不動産売買・不動産仲介 トランスバリュー・リアルエステートサービス株式会社

テトラクロロエチレン(第一種特定有害物質)について

特定有害物質のうち、第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)のテトラクロロエチレンを取り上げます。

別名

パークロロエチレン、四塩化エチレン

特徴

塩素を含む有機化合物で、水よりも重く、常温では無色透明の液体で、揮発性物質です。引火性が低く、容易に油を溶かすという性質があります。

用途

ドライクリーニングの溶剤として洗濯業で使われたり、精密機器や部品の加工段階で用いた油の除去などに使われてきました。

1980年代に有機塩素系溶剤による地下水汚染等の環境汚染は社会問題となりましたが、テトラクロロエチレンの製造・使用量は減ってきており、現在では、代替フロンの原料としての用途が最も多くなっています。ドライクリーニングや金属の洗浄用途は3割程度と考えられます。

また、有機塩素系溶剤は地下水汚染だけではなく、大気汚染も懸念されていることから、環境汚染を未然に防止するために、1986年に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」が改正され、第二種特定化学物質に指定されました。テトラクロロエチレンは、トリクロロエチレンとともに規制の対象となり、溶剤の製造業者は製造予定量を行政に届け出るとともに、販売する際には環境の汚染を防止するための措置等に関する表示が義務づけられています。

環境中での動き

テトラクロロエチレンは環境中で分解されにくい物質です。大気中では化学反応によって分解されますが、半分の濃度になるには96日かかると計算されています。水中に入った場合は、大気中へ揮発することによって失われると考えられます。土壌中に排出された場合、土壌への吸着性が弱いため地下浸透して地下水を汚染し、長い間、残留する可能性があります。

環境基準

土壌環境基準 0.01mg/L以下
地下水環境基準 0.01mg/L以下
水質環境基準(健康項目) 0.01mg/L以下

土壌汚染対策法の基準(第一種特定有害物質)

土壌溶出量基準 0.01mg/L以下
土壌含有量基準
地下水基準 0.01mg/L以下
第二溶出量基準 0.1mg/L以下
引用・参考文献
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」(公益財団法人 日本環境協会 平成27年6月発行)