- ホーム
- 土壌調査
- 特定有害物質について
- ふっ素及びその化合物(第二種特定有害物質)について
ふっ素及びその化合物(第二種特定有害物質)について
特定有害物質のうち、第二種特定有害物質(重金属等)のふっ素及びその化合物を取り上げます。
特徴と用途
ふっ化水素は、水素とふっ素の化合物で、ふっ化水素の水溶性塩にはふっ化ナトリウム、ふっ化アンモニウムなどがあります。これらの物質の中で生産量が最も多いのはふっ化水素です。
ふっ化水素は、常温では無色透明の液体で、約20℃で沸騰して気体となります。水に溶けやすく、その水溶液であるふっ化水素酸は弱酸性を示します。ガラスや金属(金、プラチナを除く)などをよく溶かすので、この性質を利用して電球の内側のつや消し、ガラスの表面加工、ゴルフクラブのチタンヘッドやステンレス鍋などの表面処理などに使われたり、半導体製造プロセスにおいても半導体の表面処理剤などに使われています。この他、ふっ素樹脂加工したフライパンなどのふっ素樹脂原料としても使われています。今日、最も需要が多いのは代替フロンの原料としての用途と考えられます。
なお、ふっ素は反応性が高いため、自然界ではさまざまな元素と結合した化合物として存在し、元素の形では存在しません。ホタル石はふっ素がカルシウムと結合したもので、氷晶石はナトリウムとアルミニウムに結合したものです。虫歯予防のために歯科医がふっ化ナトリウムを使用することがありますが、これは歯の表面にあるエナメル質に含まれるカルシウムとふっ素を結合させることで歯をより硬くさせ、虫歯予防効果を目的としたものです。
また、ふっ化アンモニウムは、半導体を製造する際にシリコン酸化膜を除去する薬剤などとして使用されています。
環境中での動き
環境中へ排出された場合、主に水中に存在すると予想されています。ふっ素は水中ではイオンとして存在します。また、ふっ素は地殻の表層部には重量比で0.03%程度存在し、クラーク数で17番目に多い元素で、海域中には河川や湖沼中に比べて、比較的高濃度で存在しています。温泉水や火山地帯の地下水にはかなり高濃度のふっ化物イオンが含まれていることがあります。
環境基準
土壌環境基準 | 0.8mg/L以下 |
地下水環境基準 | 0.8mg/L以下 |
水質環境基準(健康項目) | 0.8mg/L以下 |
土壌汚染対策法の基準(第二種特定有害物質)
土壌溶出量基準 | 0.8mg/L以下 |
土壌含有量基準 | 4000mg/kg以下 |
地下水基準 | 0.8mg/L以下 |
第二溶出量基準 | 24mg/L以下 |
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」(公益財団法人 日本環境協会 平成27年6月発行)