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六価クロム化合物(第二種特定有害物質)について
特定有害物質のうち、第二種特定有害物質(重金属等)の六価クロム化合物を取り上げます。
特徴と用途
クロムには多くの種類の化合物があり、クロムのイオンの価数が三価のものを三価クロム化合物、六価のものを六価クロム化合物といいます。六価クロム化合物には多くの種類の化合物があり、代表的な化合物としては以下があります。
- クロム酸(無水):常温で暗赤色の固体。水に溶けやすい。 顔料の原料、窯業原料、研磨材、酸化剤、メッキや金属表面処理。
- クロム酸鉛:紅鉛鉱として天然に存在する。常温で黄色または赤黄色の固体。水に溶けにくい。黄色顔料。
- 二クロム酸カリウム(別名:重クロム酸カリウム):常温で橙赤色の固体。水に溶けやすい。顔料の原料、染色用剤、酸化剤・触媒、マッチ・花火・医薬品などの原料、着火剤。
- クロム酸ストロンチウム:常温で淡黄色の固体。 塗料や絵の具の原料。
- 二クロム酸ナトリウム(別名:重クロム酸ナトリウム): 常温で橙黄色の固体。水に溶けやすい。クロム化合物の原料、顔料・染料などの原料、酸化剤・触媒、金属表面処理、皮なめし、防腐剤、分析用試薬。
- クロム酸亜鉛:常温で黄色の固体。水に溶けにくい。錆止め塗料の原料。
- クロム酸カルシウム:常温で淡赤黄色の固体。着色料。
なお、自動車部品のクロメート(亜鉛メッキなどの後処理として耐食性を与えるためにクロム酸塩の被膜をつけること)に六価クロムが使われてきましたが、わが国の自動車業界は、2008年1月以降、その使用を廃止するために自主的な取り組みを進めています。
環境中での動き
環境中へ排出された六価クロム化合物は、河川や海、土壌、水底の泥に存在していると考えられます。土壌中に入った六価クロムは、少量の場合は有機物などとの反応によって容易に還元されて三価クロムに変化し、水に溶けにくい形になると考えられますが、大量に入ると六価クロムのまま土壌中に存在したり、地下水に入ります。
環境基準
土壌環境基準 | 0.05mg/L以下 |
地下水環境基準 | 0.05mg/L以下 |
水質環境基準(健康項目) | 0.05mg/L以下 |
土壌汚染対策法の基準(第二種特定有害物質)
土壌溶出量基準 | 0.05mg/L以下 |
土壌含有量基準 | 250mg/kg以下 |
地下水基準 | 0.05mg/L以下 |
第二溶出量基準 | 1.5mg/L以下 |
引用・参考文献
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」(公益財団法人 日本環境協会 平成27年6月発行)
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」(公益財団法人 日本環境協会 平成27年6月発行)